政府の謀略そのに

 先日の謀略は私の八つ当たりですが、来年の11月12日を祝日にしようというのは、やっぱり謀略だと思います。
 来年の11月12日は、陛下の就任20周年(あえてこの表現)なのだそうです。日付までは覚えてないし、私にとってはそんなこともあったね、くらいの日です。これを来年に限り祝日にしようという法案を、民主党が検討しているそうです。
 あのねー。これ以上祝日増やしてどうするの。祝日が増えたって労働時間の短縮はされないんだよ。ただでさえ、月曜休みが増えて、月曜の授業はどうしても時間が足らなくて大問題、月曜休みがセオリーの公共施設も迷惑しているってのに。以前のようにある程度祝日の曜日がバラけていれば月曜ばかり授業がつぶれたりしないし、公共施設の休みにぶつかったりぶつからなかったりでバランスが取れていたのに。中学校教員の友人は補講で土曜が学校じゃ意味ねーじゃんとぼやいております。いや来年の11月12日は月曜じゃないけどね。
 でね、いくら祝日でも、納期ってものがあるじゃない、世の中には。24時間ずっと必ず誰かがいなきゃいけない仕事も多いじゃない。公共施設も月曜休みたくたって祝日じゃ休めないじゃない。というわけで、休日出勤が増えるわけですよ。これ、休日手当てをきっちりもらえる場合は所得が増えてラッキーなまさしくハッピーマンデーですけど、時間外手当ってなんですか? という職場ではサービス休日出勤になるだけです。格差倍増計画だね。
 企業に時間外手当を出させて、休みのはずの公共施設を稼動させて、内需の拡大を図ろうという政府の謀略ではないかと思うのであります。もしそうだとしても上手くいってないと思うけどさ。民主党は政府じゃないけどさ。

 筑紫哲也氏の訃報を聞きました。一度だけ、ご本人をお見かけしたことがあります。
 とあるクラシックコンサートの、私はP席で彼は奥様と一緒にS席にいました。ピアノ協奏曲なのにオーケストラの後ろでちんまりしている私と友人とは違い、前から三分の一あたりの真ん中近くの席で、足を組んでゆったりと座っていました。時折、隣に座った奥様の耳元へ顔を寄せ、何かささやいてはおふたりで微笑んでました。
 会場に入る前に、奥様のコートを取って自分の分と一緒にクロークに預ける後姿を目敏い友人が見つけて、私に「筑紫哲也がいる。ちょくちょく夫婦で来てるんだよね」と耳打ちし、それで振り返ってご夫妻を失礼ながら上から下まで一瞥しました。奥様をさりげなくエスコートする様子がいちいちサマになっていて、ふーん、あれがね、キザだなあ、と思いながら白髪のおふたりを見送りました。席に着いて友人と演目について話をしていたら、開演少し前にほぼ正面に座るご夫婦が目に入りました。「目の前じゃん」「え? ああ、筑紫哲也ね」「金持ちはS席だね」「そりゃあね」「ヤングシートに文句は言えないか」そんな感じで、その日はあらーこのティンパニのひと上から見るとちょっと髪が薄いなあとか、ピアノをP席で聴くのは大失敗だな聴こえやしねえとか、指揮者の顔を見ながらってのも面白いなとか、思いながらコンサートを楽しみました。
 終了後は、スタンディングオベーションというわけでもなく、しかし惜しみない拍手を、筑紫夫妻はしていました。帰りのクロークで姿は見かけませんでした。
 筑紫哲也氏についての私のイメージは、テレビで見るキャスターの彼ではなく、ニュースについてコメントする彼ではなく、穏やかそうな奥様と柔らかく微笑みあうくつろいだ姿の彼です。もう8年近く前の出来事ですけど、私のイメージは今でも、そうです。

2008.11.07 Friday 23:35 | - | comments (0) | trackbacks (0)

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