秋のうきうきうさぎ狩り
11月6日は彼氏と箱根でうさぎ狩りをしてきました。箱根彫刻の森美術館で開催されているWhere is miffy?です。足湯に入ったりうさこにまみれたり、紅葉にはちょっと早かった感じの箱根路を、2速と3速でスピード調節してアクセルを踏まずに下ってみたりしました。
さて、現在西湘バイパスは社会実験のため無料(国交省関東地方整備局-ホーム>道路>社会資本整備>高速道路無料化社会実験>無料化区間>西湘バイパス)ですから、普段は使いませんが海沿いを走ってみようということになりまして、わざわざ海まで行きました。東名が無料化区間だったら東名で行ったでしょうに。西湘バイパスは強風や高波でちょくちょく通行止めになるため、私はとても信頼性の低い道路だと判断しているからです。そのうえ有料かよと思うと使う気になれません。
もっとも、私は個人的には、なんだよ首都高そのうち無料にするって話は嘘だったんだな! 値上がりしてばっかじゃねーか! とは思うものの、高速道路の単純な無料化には反対です。一般道と同様に整備を税金でやればそれはそれで良いとは思いますけども、一般道と違ってサービスエリアがありますから、あれをそのまま税金で維持されたらそれこそたまったものじゃありません。高速を使わないひとには大きな不満となるでしょう。お茶だのトイレだの全部有料にするなら通行料金は無料でも良いかなと思いますけど、あれだけの設備と人件費を税金でまるまる補うのは、もっと他に必要な使い道があるだろと思ってしまいます。
サービスを受けているのだから対価を支払うのは当たり前なんですよ。使った分だけちゃんと払う。一般道以上の付加価値があるのだから、高速道路は(たとえ通行料金は無料でも)使用料金を支払うべきだと考えます。駐車場とか、24時間以上いたって無料だものね。通行料無料で駐車料金も無料でお茶もトイレも無料って、ムシが良すぎる話ですよ。老後の心配をするなら余計なところで国家にたかっても良いこと無いって。
ああ! うさこを語るはずだったのに。
とにかく、混みまくりの134号線から西湘バイパスに入り、久々にちゃんと海を見た気分になりました。いや、会社の裏側がすぐ海ですけど、あれは……電車から毎日横浜港を見てますけど、あれは…
いやー、大磯の海は奇麗だね。浜辺の釣り人がだいたいみんな等間隔で並んでいるのが面白いです。そのほうが釣れるのか単にパーソナルスペースの問題なのか知りませんけど、遠くから見たらそれこそシュールな彫刻みたいな感じです。
その後はわりと普通に、ロマンスカーと並走してみたりしながら箱根駅伝コースを素直に登って行きました。それにしてもなんで箱根には外車が多いのだろう。丸の内の地下駐車場並みに外車だらけ。そりゃトヨタもたくさん走っていましたけれども、アルファロメオとかベンツとかワーゲンとかそんなのばっかりでした。フェラーリには驚いた。でも車庫入れ下手でした。渋いおじさんが乗っていたのになんかガッカリです。
そんな感じで、箱根ではお約束の有料駐車場へ入りました。美術館に来たひとは駐車料金無料というのがよくある設定だと思いますが、箱根では駐車場は駐車場で支払い、美術館は美術館で別料金です。美術館は大人1600円ですが、前に並んでいた親切なご婦人が「あなたたち割引券ある?」と割引券をくださったので100円引きで入館出来ました。印刷して持って行けば100円割引という美術館の公式サイトのクーポン持ってたんですがね。
維持管理がたいへんなんだとは思いますが、入館料は高い。上野あたりで大きな美術展をやると1800円くらいしますが、常設展はだいたい1000円です。でも彫刻の森は通常価格1600円ですから、割高感がかなりあります。雨が降れば野外展示を見るのは厄介だし、雨の中ピカソ館までは遠くて行くまでが億劫です。箱根全体の物価の高さ、併設レストラン等の値段の高さを考慮すると、正直何度も行きたいところではありません。
ただ、新宿御苑みたいに植物も楽しむことが出来ることと、でかい彫刻を天井の圧迫感なしで味わえるのは魅力です。あと箱根登山鉄道を見られるのがいいところ。彫刻の後ろに赤い列車が走っていく景色は他には無い状況だと思います。
今回に限っては、そごう美術館でのゴーゴーミッフィー展が1000円―――名古屋の松坂屋で開催されていたときは800円―――だったことと比較すれば、うさぎ代1000円プラスその他600円ということで許容範囲です。私はね。
入ってからすぐにあやしげなトンネルを抜けます。その先に目玉焼きらしいベンチあるのですけど、この目玉焼きは黄身の部分があんまり盛り上がってないので、おそらく新鮮な卵ではありません。美味しく無さそうです。私は両面焼きが好きというか、生の白身とか黄身とか気持ち悪くて嫌なので、触りには行きませんでした。「弓を引くヘラクレス」は目線の方向をたどると「人とペガサス」なので、ペガサスを撃ち落とす気満々に見えます。
うさぎ狩りは巣を後回しにしてとりあえず敷地内をうろつくことにしました。そしたらうさぎ発見! 「ボクシングをする二匹のうさぎ」です。wikipediaによると(ソースがあやしいな)うさぎは「匹」「羽」「頭」で数えるようですが、こういう場合はどれがふさわしいのか……私は慣れ親しんだ「羽」でないと落ち着かない気分になります。
ちょいちょい植物の写真を撮りながら、足湯にたどり着いたのでのんびり休憩。ゆずと思われる柑橘系の果実が入っていました。
さて、ここで私は彼を試しました。
「きみはこの可愛い可愛いうさこのタオルで足を拭けるかい?」
「ええっ! そんな、踏み絵? いきなり?」
「心の準備があったら拭けるの? どうなの?」
「僕には無理…」
私は拭けますけどね。普通にね。ハンカチくらい持っていろという話ですよこれ。土産にどうぞって100円でタオル売ってますけど、そんな無駄遣いはしないでうさこの顔で足を拭く。
他にもいろいろあって、うさぎ狩りの本拠地に辿り着くまでが長かったのですが、そこらへんは後ろのほうへたたんでおきます。ここからメインのうさぎ狩り。マルチホールで開催されているWhere is miffy? について。
最初からうさぎ狩りを目指すと、入口を入ってからすぐにほとんど出口へ引き返すことになります。ピカソ館みたいに遠いのと、他を全然見せずに出口なのとどっちが良いかというと、もうちょっと何とかならなかったのかと私は思います。それであちこち先に巡ったのですけど、うさぎ狩りまでは長くて疲れました。
まずはマルチホールに入るエスカレーターの脇に、うさこの目とバッテンの口を描いたランプシェードがお出迎えしてくれます。不気味と言えば不気味です。自宅の玄関にあったらちょっとビビると思います。夜中とか。トイレの入り口の足下とか、駄目でしょ。
エスカレーターを上がると、広めのホールがあって、そこにうさこのおうちがあります。木造二階建て。二部屋しか無いです。ここは大人もちゃんと二階までお宅拝見出来ますが、子連れでないとちょっと恥ずかしいですな。
また、えーとこれ説明が難しいな、うさこのおうちとか学校とかが、学芸会の背景みたいな、平らな板に描かれたのが建っているんですが、これにちょっとしかけがあります。その建物の類いにライトが当てられていますので、自分の影がそこに映るように移動しますと、数秒後にうさこがうさうさ出てきます。ここらへんがWhere is miffy? なのでしょう。
解説の無い科学展のような感じですね。上からライトが当たっている台があって、そこにクッションみたいなのが置いてあり、それをどかすと影絵のうさこや犬やらが出てくるとか。でかいスクリーンが壁にあって、天井方向から水滴の形の影絵が降りてきまして、スクリーンに自分の影が映るようにすると、水滴が影にぶつかるとお花とかちょうちょとかに変わるとか。これね、頭に当たるようにやると、頭の上にお花とかちょうちょが飛んで、まるで馬鹿っぽいです。私の馬鹿が増幅した感じの写真を、ご覧になりますか?
ベンチには『miffy×miffy×miffy』miffy 55th Anniversary Limited Editionが置いてあり、読みまくりました。こないだ横浜そごう美術館でも読みまくりましたが。ええもうこの本は素晴らしいですよ最高ですよ。欲しい! と思いつつまだ買ってません。
それから、偏光のスリット入りの板があって、ちょっと揺らすとうさこが動いているように見えたり、変なレンズが置いてあってそれを覗くと6重くらいにものが見えたり。
ドラえもん展で行ったお台場の科学未来館に似た感じですね。
出口付近にはうさこのガチャガチャもありました。数日前に同僚からそのガチャガチャをいくつかプレゼントされていなかったらやったかもしれません。お土産売り場は小粒ぞろいで悶えました。40代と思しき男性が、『miffy×miffy×miffy』を購入して大事そうに抱えてました。彼とは絶対に友達になれそう。だって、子ども連れじゃなかったもん。本人がうさこ好きだから来たんだな? って思いました。まさか彼氏と一緒なのに全然知らないおじさんをナンパするわけにもいきませんでしたが、彼にはきっと他のうさこ展でも会えるのではないかと、勝手に期待しております。
そんなこんなでうさうさ終了。お高い箱根で食事などせず、小田原の鈴廣へ向かったのでした。ここから先は続きへ。かまぼこと干物の話になります。
かまぼこの里FISH CAKE&DELIショップで「シーフランクバケット」を食べました。これは、シーセージという魚を使ったいわゆるソーセージですな、これを細身のバゲットに突き刺して軽くあぶってチーズかトマトのソースをかけて食べる物です。作るのはお店の方がやってくれます。待つだけ。
2.3分って言ってたのに5分以上待ちましたが。
美味しかったですよ。かまぼこをちょいちょい試食して、これを食べたらお腹いっぱいです。試食し過ぎですかそうですか。
このバゲットは土日限定メニューだそうです。お値段はいくらだっけ、380円とか、そのくらい。シーセージをホタテとイカスミとエビと3種類から選べます。美味い。
本日のお土産は、「ひょっこり焼き」と悩みに悩みましたが「焼きぼこ」と「わさび漬け」にしました。ここで「焼きぼこ」について語るとまた長いんですけど、以前も文句たれたかもしれませんが、「焼きぼこ」はバラ売りで一つ180円なのに、7個入りで1250円なのは何故なのか。かごに入っている分、その値段が入っているのではないのか! 割安だからって要らんかごを毎回買ってしまうではないか!
でも買う。「焼きぼこ」美味いもん。「ひょっこり焼き」も柔らかくて美味しいので、次回は「ひょっこり焼き」かな。
それから、干物屋にも寄りました。山安の工場直営のアウトレットみたいなところに行ったようです。山安ターンパイク店とレシートにはありました。規格外のキズパックばかりをとりあえず購入してみました。魚の善し悪しはいまいち分からないので、食べてみるまで美味いかどうかは謎です。いまだ冷凍庫で眠り中。
このお店は、彼氏の母親が横浜ウォーカーか何かで見つけて行きたがっているとかで、要するに私は下見要員だったみたいです。今週は母親と二人で出かけたと彼からメールが来まして、私の両親は「超マザコンwwww」と笑ってました。
ここから突然また彫刻の森に戻ります。8割方要らん話ですが、私の記憶強化のためにひとつ。
足湯の近くにある展望台みたいなのは、全部螺旋階段なので疲れそうだから回避し、近くのギャラリーカフェに入りました。ここで彫刻の森美術館のキャラクターであるチョーピカ君に心を奪われた彼がグッズを吟味し始めて動かなくなりました。
あれは3年前どころではなく12年くらい前ですか、私の妹が彫刻の森美術館土産にチョーピカ君のストラップを買ってきてくれたんです。当時、まず講義をさぼることの無い私(要するにノート担当である)は、たまにサボっているが勉強熱心な熟慮タイプ(つまりレポート担当である)彼と、ごく普通に友人として、もっと言うなら都合の良い勉強相手としてレポートを(お互いのを参考にしながら)書いたり、ぐだぐだ議論したりしていました。sp2混成軌道がどうとか飽きもせず。
それで彼が雑談で「携帯のストラップが無くて不便しているが買う気になれない」と言い出しました。「私は余っているなあ。昨日もほら、妹がこれくれたけど、出番が無いんだよ」とお土産を見せびらかしました。
「え、何これ可愛い」と彼は目を輝かせ、思い切り食いついてきました。欲しいオーラがものすごく出ていて、名前はあるのかどこで買えるのかいくらなのかしきりに質問してきました。私は迷いましたが、がらくた箱に入るよりはマシかと、律儀な男だからすぐに捨てたりしないだろうと判断し「そんなに気に入ったなら使って良いよ」とあげちゃいました。
当然、妹は激怒です。「お土産を他人にくれてやるやつがあるか! しかも翌日にあっさり!」とお冠です。そりゃそうだわな。非は明らかなのでひたすら謝りました。黙っているわけにもいかんと思って報告したのですが、ものすごく怒られました。
それから10年以上、彼はチョーピカ君一筋です。携帯は何度も、キャリアも変えまくっているくせに、ストラップはずっと塗装もはげたみすぼらしいチョーピカ君です。
しかし、彼は箱根彫刻の森美術館に来てしまったのです。10年一昔と言うように、グッズは増えてチョーピカ君のバリエーションも豊富になっていました。あれも欲しいこれも欲しい、チョーピカ君可愛い、小さいの可愛い、色違いがある、四角いのもある、全部可愛い、とチョーピカ君の一角を占領して夢中になっていました。結局買ったのはバッグのファスナーにつける根付けみたいなやつ2点だけだったのですけど、30分以上悩んでました。
もうね、不審者ですよ。
その後は久しぶりのピカソ館。たぶん15年ぶりくらいです。そんなに好きではないピカソですが、なんと言うか力強さを感じます。すごく単純化して描いていて、それだけになんかこう、迫力があります。惹きつけられますね、好きじゃないのに。さすがピカソ。
ピカソ館は二階建てで、入口が良く分からず出口から入りましたが全然問題ありませんでした。こういうおおらかさは良いところかも。
二階のお皿がたくさんあった展示が面白かったです。エッチングの制作の過程とか、けっこう前に鈴木英人の制作過程紹介を見たときみたいな面白さでした。
けど、なんで絵皿って存在するんでしょう。どうせ実用性が無いのなら、中途半端にお皿なんて、使い道がありそうな期待を持たせないので欲しいのですが。千代の富士の手形の絵皿は私の宝物ですが、それだって壊れる確率が高いお皿でなくて、もうちょっと何か違う物だったら良かったのにと思っています。琴ノ若のスープカップは2年以上毎日使っています。ここまで使い倒していれば洗っていて割れても諦めがつきますが、飾っとくだけのお皿が割れたら腹が立つ。
出口近くのお土産屋さん、つまりうさこの出口を出てすぐのお店では、同僚の机の上にあるペーパーウェイトを発見しました。ああ、これかあ、と思って値段を見たら、うへえ。ごめん、500円くらいかと思ってた。2倍以上だった。なんだこいつーとか言いながら、彼の席に用があって行くときはいつもそいつをぐにぐにつっついて遊んでたのを反省しました。私が引っ張り過ぎて、触覚みたいなの、もげそうになってるし。
こりゃ申し訳ないなと思って月曜日に話をしたら、「これ、友達からのプレゼントなんだよね」って……私いじめてましたよ。毎日。
いや安かったらいじめても良い訳じゃなくて。