報奨金……?

 力士が稽古を真面目にやると報奨金が出るようにしようとか、ろくでもないことを考えているらしいのでのけぞった。それはひとつも契約を取れなくても、あちこち営業に行けば成約手当が出るみたいな訳の分からなさです。なんじゃそりゃ。
 真面目に練習するだけで成果が出なくても給料上がるの? 良いねー……
 馬鹿か。

 先日の石岡和己さんの誕生日にはうっかりと、本当にうっかりと、あれよあれよと言う間に入院させられていた私ですが―――あれよあれよと言う間に結婚が決まっていていまさら後には引けなくなった、と友人がぼやいていたことがありますが、意識が朦朧とする中「ご家族に連絡してください」「書類は用意しましたのでサインだけお願いします」と口々に言う病院関係者数名に取り囲まれて唯々諾々と従うしかなかった自分を思うにつけ、バッカでーと彼を鼻で笑ったことを反省するのである―――今月末の御手洗潔さんの誕生日はひとりしんみりしたい気持ちでおります。
 今でも、淋しくなれば君もいてくれる。僕は一人ぼっちじゃない島田荘司『占星術殺人事件』講談社文庫p.431 l.4と思っていますか。それとも、こんなふうに毎日普通に生活しているだけでも、僕は何だか火星で暮らしているような気がするよ。めまいがするほど、みんな僕と違っている。『占星術』p.151 l.10-11ですか。ウプサラでは楽しそうですけど。御手洗さんの孤独を思うとき、海江田四郎の抱える「世界中でたったひとり」の孤独を思い出します。
 ところで、『異邦の騎士』では石岡さんは散弾銃を振り回していますが、散弾銃は確かに命中率は高いものの撃つまでの手順がそれなりに面倒なので、御手洗さんの邪魔が入らなくても石岡さんは銃をぶっ放すところまで至らなかったのではないかと思います。そして私はその散弾銃が、スキート用なのかトラップ用なのか、分解式なのか中折れ式なのか、そんなところが気になってたまりません。

 全然関係ないけど、超久々に『ナルニア国物語 銀のいす』を読み返していて、ジル・ポールが「もち、大丈夫よ」と言っていておおっと思いました。ナルニアにまで浸透していたとは。覚えていませんでした。瀬田貞二氏ですら使っちゃった「もち」なのに今はとんと耳にしません。いや私の妹は「モチのロンだぜ」とかたまに言ってますけど。何時代がかったこと言ってるんだと思ってしまう。
『ライオンと魔女』の単行本が出たのが1966年でしょ。「モチ」が多発している『大いなる眠り』は1956年だから、昭和初期の若者語(らしい)としては長持ちだなぁ。

2009.11.02 Monday 23:12| comments (0) | trackbacks (0) |