鉄道博物館
(1)名称 鉄道博物館
(2)所在地 埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番
(3)設立主旨 JR東日本設立20周年記念事業メインプロジェクトとして2007年10月に開業した。日本及び世界の鉄道に関わる遺産・資料に加え、国鉄改革やJR東日本に関する資料を体系的に保存し調査研究が行われている。また鉄道システムの変遷を、車両等の実物展示を柱にそれぞれの時代背景等を交えながら産業史として物語る歴史博物館でもある。さらに鉄道の原理・仕組みと最新(将来構想を含む)の鉄道技術について、子どもたちが模型やシミュレーション、遊戯器具等を活用しながら体験的に学習することが出来る。
(4)常設展示
大きくヒストリーゾーン、エントランスゾーン、コレクションゾーン、ラーニングゾーン、パークゾーン、ノースウィングに分かれている。主な展示はヒストリーゾーンの実物資料である。実際使用されていた車両と複製との両方が混在しているがどちらであるか明記されている。
ヒストリーゾーンは4階までの吹き抜けになっており、各時代ごとの代表的な車両が展示されている。車両内部へ立ち入りが可能な車両は乗り降りがしやすいようホームが設けられているものが多い。「とき」は新潟駅、ブルートレインは上野駅とその車両にふさわしい駅名が設定されている。
また、一部車両では持ち込んだ弁当や博物館内で販売している駅弁等の飲食が可能となっている。外部からのみ見学可能の車両には運転席部分や客車部分などの前に階段と見学用スペースがある。入口が二箇所以上ある車両もあるが一箇所しかない車両が多く、見学用スペースへ上がる階段もひとつきりの設置が多い。
館内は非常に混雑しており、これは開業から間もないためと考えられるが、ヒストリーゾーンは特に決まった見学順路もなく、展示車両の出入り口が一箇所ずつしかないものが多いことも混雑を増大させる一因であると考えられる。また、エントランスゾーンを挟んで右側がヒストリーゾーン、右側がパークゾーンとなっているが、エントランスゾーンに日本食堂と駅弁の販売があるため入館者が多く集まりヒストリーゾーンとパークゾーンの行き来を妨げていた。
ヒストリーゾーンは展示資料の解説がQRコード記載のパネルがあるだけで、その場で読める解説はほとんどない。QRコード対応携帯電話を持っていない入館者が得られる情報は非常に少ない。車両内部にあるQRコードは車両が揺れると読み取りが困難であり、何人も集まって通行の邪魔にもなるため利用している入館者はほとんど見かけなかった。小学生以下と思われる子どもが多く、詳しい情報を必要とする入館者が少ないのかもしれないが不親切な解説資料だと考えられる。
ヒストリーゾーン2階は吹き抜けを囲むように1階を上から見学できる。西側には全長75メートルの壁面を利用した鉄道歴史年表があり、黎明期から現代まで各交通機関の移り変わりが社会情勢や世相とともに紹介されている。年表下の展示スペースには各時代ごとに使われていた切符・時刻表・主な駅の模型等が展示されている。
コレクションゾーンはライブラリーとギャラリーに分かれている。ギャラリーは特に解説資料もなく、ガラスケースに駅使用の時計や機関車の圧力計等の収蔵資料が無造作に置かれている。ホームの駅名プレートが並べられていたが、大船の隣が熱海、その隣が新橋と順番は考慮されていない。JRだけでなく小田急・相鉄等私鉄車両の模型も展示されている。
模型鉄道ジオラマは解説付きと解説無しとがある。約15分間、朝のラッシュから夜行まで時間順に列車が走行される。横幅約25メートル奥行き約8メートル軌道総延長約1,400メートルは日本最大である。新幹線は速く、蒸気機関車は遅く走行しており臨場感がある。運転シミュレータはD51のみ要予約・有料で他は予約不要・無料だが、混雑が酷く見学もままならない。
参考URL:http://www.railway-museum.jp/