内乱と危機
『図書館戦争』の続き、『図書館内乱』と『図書館危機』を読みました。先週だか先々週だかに『ダ・ヴィンチ』でライトノベルについて特集されていまして、有川浩はライトノベルからそのまま出てきたタイプだと、アニメ化される『図書館戦争』とともに紹介されていました。私はこれまで彼女の本を読んでないのでなんとも言えませんが、確かに書き方としてはライトノベルだと思います。
で、感想なのですが、妹と二人で共感したのが柴崎でした。妹がいきなり「分かる分かるよ!」と叫んだので話を聞いたら「美しさは罪」だそうです。ああ、その話ね、と思いました。柴崎は美人という設定なのですが、子どものころ「だれそれちゃんがだれそれくんを好きなのを知っていてどうして協力しないの」とクラスメイトの女子に詰め寄られるという経験が明かされるのです。
昇降口で同じくクラスの男子に会ったら挨拶ぐらいするでしょう。そんで「数学の宿題やった?」とか訊かれれば返事するし、途中でトイレに寄ったりしなければそのままなんとなく教室までご一緒しちゃいますよ。それを特に親しくない女子に見咎められて「あの子が彼を好きなの知っていてどうして彼と仲良くするの」と責められるという恐ろしい理不尽な言葉の暴力に悩まされるわけです。
知らねーよ!誰が誰を好きかなんて!と言うとそれはそれで「友達なのに」とかなんとか。いつから友達になったんだっつーの。委員会でちょっとだけ接触のあった男子についてまでぐだぐだいわれてみたり、酷いときは隣のクラスからも来たり。こういう場合は失礼ながらその男子の名前すら私は認識していないこともあるのに。そう言うとますます彼女たちはヒートアップするのがパターンですね。
たいへん迷惑をこうむりました。私は妹もそういう経験をしていると知らなかったので、それらのムカつく体験から15年近くを経て姉妹は分かり合うことが出来ました。その点で作者に感謝した。
柴崎苦労したなあ、そうだよね、だんだん周りの顔色伺うようになるよね、何もしてないのに恋路を邪魔すると認識されるのは腹立つよね、このヒガミ根性め、と柴崎に感情移入しながら読むとこれはこれで非常に面白いです。私は柴崎みたいにあちこち首をつっこむ女性は苦手だと思っていましたが、認識が変わりました。最初から笠原には共感できず堂上か手塚のほうに寄っていましたが、柴崎はOKだ。
4巻目が非常に楽しみです。
私の「しーそーさんはこそうじゃくさんを好きすぎると思う」という意見に対して、職場の男性が「しーそーさんは底抜けに紳士だよ」と言ってくれました。私は知らなかったのですが、一緒に住んでいてやたらと布団がくっついているのだそうです。それは確かに紳士だと思いました。ということは渋谷も底抜けに紳士なんですかね!
その同意してくれた男性以外は、「あの子がテレビの話をしている!」と本気で驚いていました。テレビくらい観るよ。毎日15分くらいは。朝の「おはよう日本」だけだけど。