無性に、

 悲しくなったというか腹が立ったというか、良く分からんのですが、1ヶ月くらい前の「漫画ゴラク」の巻末の間違い探しのことを唐突に思い出したので、愚痴っておきます。だからなんだという話です。5ヶ所だか7ヶ所間違いがある2枚の絵、その内容は、正確な文章は思い出せませんが、新米力士が土俵上で大慌て、みたいなあおり文句がついていました。
 見比べてどこが間違っているか、というのは見ればすぐわかる簡単なものでした。そうではなく、間違えているのはお題になっている絵、そのものではないか! と私は思いました。
 まず、新米力士のはずなのに、髷を結っているのです。新米力士の定義はいろいろ考えられますが、初めて番付に載った、つまり前相撲を終えて序の口になったばかりとしても、髷を結えるほど髪が長いとはあんまり思えません。絵では、大柄な外国人力士に驚いて行司の影に隠れようとしていました。もし、大卒で幕下付け出しデビューだとしたら、相手の外国人の髷は納得ですが、大学まで相撲をやっていて相手にビビって行司に隠れるなんてするわけがないのです。
 それから、その行司、きちんと足袋をはいていました。軍配もちょっと立派過ぎる感じ。とてもとても、序の口や幕下で裁いている行司の装束ではないのです。幕下までは裸足ですから、少なくても十両格の行司でしょう。十両格の行司が新米力士の取組を裁くはずがありません。
 さらに、観客の描写もとてもおかしい。新米力士が出てくる時間にたくさん観客がいるのも不自然ですが、それよりも、砂かぶりのたまり席では飲食が禁止されているのに観客が飲み食いしていることが実態にあわないのです。
 すごーくおかしい! 間違いだらけ過ぎ! なんなの! 描いたひとは相撲を全然分かってない!
 でも、私がそう憤慨しても、一緒に国技館へ行ったことのある同僚は説明されるまで違和感を持たなかったし、世間の相撲に対する理解なんてそんなものじゃね? と言われました。
 分かってるさ。分かってるんだよ。

2011.02.12 Saturday 23:29| - | - |