技術として紹介するならOK

 石原壮一郎氏の大人のネットマナー教室は正直不愉快になります。まだ2回目ですけど、『「ツイッター信者」にその素晴らしさを熱く語られたときの平和で適当なかわし方』は嫌悪感を持ちました。
 ここで主張されている、本心ではなくてもその場が丸く収まればいい、軽くいなせば良い、適当にあしらえば良いという、相手を尊重している振りをして馬鹿にしくさっているようなふざけた態度を、さも「大人として必要」な能力のように宣伝しています。なんとなくやり過ごすだけで、相互理解には程遠いようなやり方は「大人の」することだろうか。
 しかもそれを他人に勧めるというのがあさましい。今や、ネットなしでは夜も日も明けません。しかし、メールにせよツイッターにせよSNSにせよ、その“マナー”や“ルール”は極めて曖昧な状態にあります。ネットの危険な落とし穴にはまらないために、ネットをさらに便利に楽しく使いこなすために、いろんな状況における「大人のネットマナー」を追求していきましょう。という主旨には賛同できますが、相手をそれなりに満足させるマナーって何だ。色々と付き合いがある中で、心にも無いことを言う必要があるのは分かるけれど、そんなのを勝手に「マナー」と呼んで欲しくない。相手への敬意が無いものは「マナー」ではない。単なる追従でしかない発言をせねばならない状況を正当化するために「マナー」と美しい表現に変えてごまかすのは卑怯です。
 必要に応じたおべんちゃら上等! でも「マナー」とは違う。それは技術だ。
 それとも、この記事は全部ジョークなの? イギリス的な? 私、踊らされてる?

 いくら粉飾したところで、自分の生地は誤魔化し切れない。正直こそが、処世の一番安全な道。(松下幸之助)

2010.04.15 Thursday 22:29| - | - |