私の味方は松本幸四郎氏(もしくは石原莞爾氏)

 文体診断ロゴーンという、名文と比較することで文体の特徴を診断するサイトがありまして、自分のブログで試してみました。64名の著者の作品が1作ずつ登録されており、それと似ているとか平仮名の割合、文章の長さとかで診断をするものです。結果は偏差値で表されます。偏差値、懐かしい。
 なかなか面白かったです。他人(プログラムだけど)に評価されるのは面白い。自分では気づけない指摘はありがたいものです。グッサリ傷つくことがあっても、自分のダメなところが分からないよりはずっと良い。機械的な計算で得られた結果ですが、欠点が見えたのは非常に有意義でした。
 登録されているのは各作家1作ですが、私はここ2ヶ月にブログで書いた中から10選んで判定しました。古い文章だと雰囲気が変わっている可能性がありますので、ここ2ヶ月と限りました。文字数は700から2000で、まあまあちゃんと書けている(自画自賛……言葉遣いが非常に悪いものを外す、ひとつの記事の中で話題が多くあるものは文字数が少ない記事と同列に扱う、程度の選別です)ものを選んでみました。
 もちろん、小説やエッセイとブログでは違いますが、そこらへんは気にしない方向でお願いします。
 近い、とされることが多かったのは、石原莞爾氏、松本幸四郎氏、有島武郎氏、坂口安吾氏でした。逆にかけ離れているらしいのが、阿川弘之氏、吉川英治氏、石川啄木氏、岡倉天心氏でした。
 そして、文章全体としては、一文の長さは「E:長い」と「D:やや長い」が4つずつ「C:適切」は2つでした。つまり、長いんだな。こりゃ反省。気をつけよう。というふうにブツブツ切るのも馬鹿丸出しな感じで良くないでしょうが。
 文章の柔らかさ、これは平仮名の多さで決めているのですがこちらは「D:柔らかい」「C:やや柔らかい」が4つずつでした。平仮名が多い=柔らかい、というのはあんまり納得できませんが、見た目は確かに柔らかいでしょう。内容を評価しているのではないので、朝青龍を連発すれば硬いし舞の海を連呼すれば柔らかいわけです。
 文章の表現力は全部「A:とても表現力豊か」でした。異なり形態素比率が高いと評価が高いのだそうです。形態素って何じゃらほい、というところですが、繰り返し主張したい単語を使いまくる選挙演説みたいなのを狙ったとき以外は「同じ表現を使わない」「同じ単語を使わない」の二点に気をつけていますから、まあそうだなろうなと思います。でも、言いかえが多いと焦点はちょっとボケるよね。
 文章の個性は、9つが「A:とても個性的」でひとつだけ「B:個性的」でした。普通に書いているつもりなのに個性的と言われるとなんとなく落ち込みます。普通で良いのに。ある著者の偏差値を50としたときの、私の偏差値が平均から離れていると個性的という判断とのことです。特にひねりもなく書いているつもりなのに、なんでなんで。しかし、文筆家と比べて一致していないのは、素人なんだから当たり前、という気もします。
 全体的に一番評価が高いのは、石原莞爾氏との一致指数が85.1、読みやすさ:C(適切)、文章の硬さ:A(適切)、表現力:A(とても表現力豊か)、文章の個性:A(とても個性的)だった、圏央道を歩いたときの感想でした(笑)
 偏差値86とかビビる。「良いというほど良いわけではないが悪いわけでもないので親からダメ出しされない成績」を常に維持するよう心がけていた私が自分の試験結果で見たことあるのは、やたらとヤマが当たった地理の72までです。
 判定画面の一番下に、「○○先生があなたの味方です。がんばってください。」とコメントが出ます。はい、頑張ります。何をどう頑張るのかは分からないけど。
 そして私、実は松本幸四郎氏と石原莞爾氏の文章をまともに読んだことがありません。どうにもこうにも似ていないらしい石若啄木氏や吉川英治氏はちゃんと読んでいるのにな。サイトの作者がこれをきっかけに名作に触れる機会が増えれば、作者として喜びとするところですと仰るように、まずは松本氏と石原氏の文章を読んでみたいと思います。

 上記文章は、相変わらず岡倉天心氏には似ても似つかないそうですが、あちこち意識した結果、読みやすさ:C(適切)、文章の硬さ:B(やや硬い)、文章の表現力:A(とても表現力豊か)、文章の個性:A(とても個性的)、一致指数は85.2の野間清治氏になりました(笑)

2010.04.14 Wednesday 21:06| - | - |