ブルーフィルム

　架線支障や車両故障で電車が遅れた場合、鉄道会社がお詫びのアナウンスをするのは当然ですが、自殺が理由の人身事故や「気分の悪いお客様」のために電車が遅れた場合は、鉄道会社こそ迷惑を被っているのだから「お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません」とお詫びするのは筋違いだと思う。置石とか、酔っ払いがホームに落ちたとか、そんなの鉄道会社のせいじゃないのだから。
　でも鉄道会社はお詫びのアナウンスを流しまくります。確かに、定刻どおりの運行を信じて乗っている乗客からしたら、予定が狂ってしまうのは大いに迷惑ではありますが、鉄道会社に責任の無いことまで平謝りされてもむしろ不愉快です。
　そのくせ、ポイント故障や信号トラブルで緊急停止しているときは、お前らの安全のためなんだからおとなしく待て、といわんばかりの横柄なアナウンスがされます。そうじゃないだろう。
　乗客は定刻どおりに運行されることを前提としているのですから鉄道会社の都合で遅れた場合はきっちり詫びを入れて欲しいものです。もちろん、安全第一ですから点検で遅れるのは仕方ないことですし、謝罪されたからと言って時間が戻るわけでもありませんが、鉄道会社も被害者である自殺であれだけ謝罪しているのにと思うと腹が立ちます。
　台風で新幹線が遅れに遅れて葬式に間に合わなかったとしても、それはどうしようもない。もう骨だよ！　とは思いましたが、それは鉄道会社のせいじゃないですから恨む筋合いじゃありません。しかし、ポイント故障や信号トラブルだったらそれはもう、鉄道会社が悪いのですから怒りたくなります。毎日同じところで同じように、「前の電車が詰まっております」って、それはダイヤの組み方に問題があるのだからなんとかしろと思いますが、特に改善も無ければ「お待ちください」だけで謝罪はありません。
　何故、自殺やら置石やら、鉄道会社に責任が無いことでは平謝りなのに、鉄道会社の都合で遅れると横柄なのでしょう。馬鹿じゃないのか。
　ホームに傾斜があって車椅子やベビーカーが転落するから柵を作るなら納得ですが、同じ柵を作るでも、それが酔っ払い対策だったら納得できません。ホームや車内でアルコールを販売するのをやめ、酔っ払いは駅構内からたたき出すのが正しい対策ではないでしょうか。
　毎日おとなしく満員電車に乗っているお得意様に対して、酔っ払いとか自殺とか置石のいたずらとか、そういうごく一部の迷惑な連中の被害者という点では同じ立場である鉄道会社が、彼らのために平謝りするその卑屈な態度が気に入りません。そして、信号トラブルや車両故障等、どう考えても鉄道会社に責任があることで態度が横柄なのは、もっと気に入りません。どういう基準で謝罪のアナウンスをしているのか全然知りませんが、鉄道会社の判断は間違えていると思います。