地獄への道は善意で敷き詰められている
「文化が滅びる」は言いすぎだと思う。押さえつけられれば反発して、現状以上のものが出てくることはあるからです。しかし、曖昧な表現で今後すべてを規制できそうな条例には反対です。「文化が滅びる」――都条例「非実在青少年」にちばてつやさん、永井豪さんら危機感というニュースについて。
危険だからとナイフを規制したら鉛筆も削れない不器用な子どもばっかりになった、みたいな話になるのではないでしょうか。
「非実在青少年」ってすごいよな。実在した人物が主人公の漫画はどうなんだろう。実在したか微妙な場合は? 昔話は厳しいでしょうね。古事記とか最悪です。源氏物語は幼女趣味で乱交で非実在青少年だから、『あさきゆめみし』は規制対象間違いなしです。
確かに、『ふたりエッチ』みたいな漫画が、小学校の図書室にあったら怒りを感じますが、大人が楽しむために普通の本屋に区分けして置いてあるならば構わないと思います。大人になったらエロ本読み放題なんだ! 早く大人になりたいな! と将来の希望が持てる気がする。自宅の裏山に放置されていた自動車の中にエロ本がたくさんあったのを発見した小学生は、うわーうわーうわーと男女合わせて10名くらいで大騒ぎだった初々しさはもう欠片も無いですが、イケナイモノだとは分かっていたわけで、片っ端から規制するのではなく子どもにとってイケナイモノが世の中にはあるんだという教育をしていくべきです。
単に、臭いものに蓋をしているようにしか思えない。それは馬鹿のやることです。
濃厚なラブシーンが出てきた瞬間にテレビを消すのは良いと思う。でもそれはとりあえずの対処に過ぎず、子どもが大人になるまでずっとそうやって排除すれば良いわけではありません。
都条例の改正案は、最初はほんとに性的に過激なものを規制するだけかもしれませんが、そのうち政府や与党に都合の悪いものまで規制するようなことにならないとは限りません。これがダメならこれも、これも、これも、とどんどんエスカレートすることが予想されます。そうなればただの検閲です。
また、アニメや漫画好き→オタク→人間同士の付き合いが疎遠→引きこもり→ニートという発想で、アニメや漫画を規制することで健全な青少年の育成を、みたいな雰囲気も感じます。ファン同士によるコアでディープな付き合いを心置きなくやりたい! と、けっこう積極的だと思うけどね、オタク。本気で人間付き合い放棄ならアキバもコミケも行かないよ。
映像が飛び込んでくるアニメや漫画のほうが衝撃的ではあるけれど、日経を読む小学生に配慮したとは思えない『愛の流刑地』とか、小説もかなりきわどいものが多いのに規制は厳しくありません。朝の読書を推進したり図書館の活用を広めたり、「文字情報」のほうがレベルが高いといわんばかりで、映像が無いだけに妄想をかきたてるちょいエロ小説がOKだなんて、頭が悪いにもほどがある。
闇雲に全体を規制するのではなく、「小学生が手に取ることが出来ない」ことを徹底するべきです。レイティングやゾーニングで対応することが可能なのに、それが面倒だから全部規制、というのは手抜きでしかありません。
すべきなのは自主規制であって法規制ではない。
イルカ漁バッシング映画『ザ・コーヴ』は、けっこう楽しみです。去年行った太地の海を思い出したり、「隠し撮りか、お主も悪よのぅ」とか普通に思って楽しめると思います。『靖国』もけっこう一方的でしたけど、こういう捉え方もあるんだなあと勉強になったし、ダメ絶対! イルカ漁! の主張を勉強する良い機会です。
イルカの肉を鯨と偽って売っているという話が嘘かほんとか知りませんが、本当だとしたら、嘘は良くないと思います。でも、あれイルカなのかー鯨かと思ってたー鯨も美味しいけどイルカも美味しいんだなイルカ肉が売られているのを見かけたら買ってみようイルカ料理のお店ってあるのかな、とも思います。
私はいまいち、殺して食べて何がいけないのか分からない。
『老人と海』は素直に生と死の微妙な境目を感じたし、他の動物の命で生きているのだなと感謝の気持ちを持ちました。サメはこないだ初めて食べましたけど、美味しかったです。サメも殺して食べたら虐待なのでしょうか。殺して食べるためにわざわざ育てている牛や豚のほうが、よほど虐待のように感じます。近所の農業高校では生徒がひとり一羽、自分で育てた鶏を絞めて食べるところまでが実習らしいですが、そういう教育についてはどうなのでしょう。
何はともあれ、太地の海はとても綺麗で印象深く、古代捕鯨の展示は博物館で見ましたが、実際にやっているところを映画で観られるのならそれは映像資料として価値を感じるので、映画は是非観たいと思っています。
大学生に聞く、老後の頼りは年金か貯蓄か
上記のニュースによると、日本の公的年金制度を大学生の9割が「信頼できない」と答えています。まあ、そうだろうな、と思います。
そして、老後の生活を維持するためには「若いうちから生活費を切り詰める/貯金するなど自分で努力する」が一番多く、老後の計画を始める年齢については
「学生のうちから」(10.2%)、「就職してから」(43.1%)
と過半数が20代からを考えているようです。私が就職した約10年前、組合のアンケートで「100万円もらったら?」に「老後の資金にする」と答えたら笑われましたが、現在は笑えないんだろうな。
76.6%が公的年金制度について「知りたい」と答えているのは、信頼していないが期待したい気持ちもあるということだと思うので、まだ信用を取り返すのには遅くないのでしょう。関係機関には誠意を持って対応していただきたいものです。年金の払い損って、国家あげての詐欺だからね。