『ハート・ロッカー』観た

 昼ごろ『ハート・ロッカー』を観てきました。ずっと緊張感の続く傑作だと思います。でも私は途中からトイレに行きたくなって、でもちょっとも見逃したくないなあとそわそわしていたので、後半は集中出来なくてしかも早く終わらないかなと思ってました。映画の始まる20分くらい前に自宅のトイレに行ったのに。
 下手なドキュメンタリーよりもずっと重たく切迫した様子を感じました。淡々としており、余計な反戦メッセージが無いので、戦争という異常の不気味さをあぶりだす手法は普通の戦争映画には無い感じ。あえて比べるなら『西部戦線異状なし』に近い雰囲気です。
 たった一兵士のためにあれこれして6人も死んだ『プライベート・ライアン』は、戦闘シーンの描写がやたらリアル(実際に戦場へ行ったことは無いけど)なくせにストーリーが荒唐無稽(私はものすごい技術を持つとか替えがたい兵士でもないひとりを助けるために数名の命をかけさせるような上官の判断はクソだと思う)だったため、まるで共感出来ず逆に白けてしまいましたが、『ハート・ロッカー』は主人公3人に入れ込むことはなく、台詞は多くないのに現実にこうなんだろうなと非常に後味が悪いです。戦争映画で爽やかなほうが嫌なので、後味悪くて良いのですが。
 砂漠でのイスラムとの戦闘は印象深い。あんなに長時間サイトを覗いているその集中力に感服しました。極限状態だから、火事場の馬鹿力なのかもしれませんが、90分の射撃の試合でへたってしまう自分を振り返ると、もう銃は撃ちませんごめんなさいという気持ちになってしまいます。いやまだ手放すつもりはありませんが、もっと真面目に銃を扱うべきだと反省しました。
 ラストちょっと英雄的に表現しすぎかなとも思いましたが、全体としては山という山も無くオチというオチも無く、異常な日常がそのまま描かれている恐ろしい作品です。観といて良かった。PG12はもったいない。人間爆弾がアウトなのかな。

 今後観たい映画。とりあえず、22日は『シャーロック・ホームズ』『フィリップ、きみを愛してる』です。あと、『マイレージ、マイライフ』が気になります。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』はどっかで聞いたような設定のような……だったら『タイタンの戦い』のほうがまだ面白そう。『書道ガールズ!!−わたしたちの甲子園−』は観たいが首都圏で上映の予定がないっぽい。
 片道2時間半かけて行くほどなのか悩むが、『人生に乾杯!』をユーカリが丘で4月3日から9日まで一週間限定上映するようです。

2010.03.14 Sunday 19:04| comments (0) | trackbacks (0) |