ちょっと意見変わった

 ついったーで歌詞をつぶやくことに対するJASRACの対応について色々考えたので。なんで私がJASRACの主張を特におかしいと思わないのか。
 JASRACと言いながらいきなり自分の話で恐縮ですが、自分のために書いてはいるけれど誰かの役に立つなら良い、そういうスタンスでいるので、私はブログの記事に著作権を主張しない。CC0もしくはNYSDLの元に公開していると明言します。
 NYSDLのNYSは「煮るなり焼くなり好きにしろ」の略だそうです。つまり、著作者人格権は譲渡しない―――法律上譲渡できない―――が、著作権は放棄するので、気に入ったのなら勝手に使って構わないということです。良いこと言うなあ、と思いました。お言葉に甘えて私も勝手に利用することにしました。
 私のブログなど、基本的にはただの独り言ですからご大層に著作権で保護するほどのものでは全然ありませんので、もし万が一にでも「これいただき!」と思ったら無言でパクッてください。引用元を明記する必要もありません。改変してもまったく問題ありません。どうぞ我が物顔でいてください。
 もちろん著作権は保護されるべきだと思います。私みたいなごくごく一般的な個人の愚にもつかない垂れ流し文書ではなく、ちゃんとそれをお金にしているひとの場合は。
 私だってもし一筆書いて出版するなんてことになったら、それはもう鬼の首でもとったように著作権を主張するでしょう。それは自分の文章に対価をいただく以上は責任を持ちたいということと、著作物を発行していることで稼いでいる出版社の営業妨害をしないためです。私がどうとかじゃなくて、放棄することが他人の弊害になるから。
 画像にしても動画にしても音楽にしても、それで飯を食っているひと、飯の種にしたいと思っていひと、飯の種ではないが儲けようとしているひと、趣味の活動を続ける(例えばこのブログを設置しているサーバを借りる費用を捻出する)ためにお金にしたいと考えているひと、そういう場合はきちんと著作権を主張し、対価を求めるべきです。知的財産の場合、著作権以外で儲けられる方法は、利用者の善意の寄付くらいしか無いからです。だからニュースサイト等を利用するならきちんと引用の体裁を取るなり対価を支払うなりしなければなりません。リンクウェアならリンクして、感想を述べれば良いなら感想を届ける必要があります。
 素人の文章やら音楽やら写真やらで目くじら立てるくせに、不正コピーのゲームや音楽には罪悪感無く手を出すのだから理解に苦しむ。他人のものに手を出すなんてはしたないとか礼儀知らずだとか、そういう概念は無いのだろうか。
 お、今思いつきましたが、CC0やNYSDLが浸透しないのは「他人のものに手を出すなんてはしたないとか礼儀知らずだとか」思ってしまう善良な市民が多いからなのかもしれない。それなら納得。でもやっぱり不正コピーがはびこっているのだから、そういう良識は廃れてきているような気もします。そうするとCC0やNYSDLを推奨しているひとの文章や音楽や画像に価値を感じるひとが少ないということで、レベルが低いから無視されているだけなのか……
 人気や実力や魅力があるから「著作権」を主張してそれで飯が食えるわけで、それを飯の種にしない・出来ないひとは売れるほどのレベルじゃないのだから無視されて当然と言えば当然の帰結ですかね。
 ただ、誰かに自分のものを利用されるのは心情的に嫌だ、というのは理解できます。例えば私が自分の似顔絵を遊びで描いて彼氏に見せたら、知らないうちにコピーされてどこかのグラビアアイドルの首から下と合成したものを寮のユニットバスに飾ってあるなんてことになっていたら、著作権がどうとかではなくて、この変態めと不愉快にはなります。だから、何に使われるか分からんという不安感から著作権を主張したいという気持ちは分かります。
 しかし、自分の描いたものが誰かに利用されるのはなんとなく嫌で、プロのイラストレーターの作品は宣伝になるんだしちょっとくらい使わせてよ、というのは非常に身勝手ではないでしょうか。プロだったら誰かにどんな使われ方をしても良いのか? そんなことないでしょう。
 そういう身勝手に、JASRACはもう愛想が尽きていて、良識を信じるだけではやってられないから厳しいことを言うのかもしれません。がめついだけかもしれないけど。
 長々書きましたが、とりあえず、自分が著作権を主張するなら他人の著作権も最大限に尊重すべきだ、それが礼儀って言うか公平で公正な態度ってものだろう、ということです。また、私はこのブログに関しては著作権を何にも主張しません(ブログシステムはSereneBach、ブログデザインは2010.03.06現在Raspberry Jamからお借りしているのでそれは私が主張できるものではありませんし、ブログパーツとして置いているDONATION.JPに関しては当然donation.jp、今読んでいる本に関しては読書メーターに著作権があります)が、だからと言って他人にも著作権を放棄しろということはなく、著作権を主張するひとびとにはその意思(と法律)に従います。

 そういえばこないだてくてく歩いた圏央道、もう開通しているんだった。ほんとにちゃんと車が走っているのか、見に行ってみようかな。
 あの日、1万3000人が歩いた道路ですが、2月27日に開通して以来、いったい何台の車が通ったのかが気になります。いまだに人間以下だったら笑う。NEXCO中日本には、無駄な道路だったんだなと反省していただきたい。

2010.03.06 Saturday 23:26| comments (0) | trackbacks (0) |