うたかたのよう
今日本棚を眺めながら真剣に『ジパング』のためにあと数冊分空けておくか、いつ買うか分からない本のために空けておけるかバカヤローとの間を行ったり来たりすれ違いつつ考えておりましたが、つい最近まで『ジパング』作中では12月13日だったんだよなあと気づいて仰け反りました。12日から13日になるまでも長かったがとにかく長い一日でした。気づいたら3年ですよ。長い一日の後はあっさり14年、さらにあっさり60年過ぎてしまうのも仰け反ったけど、そんなことより内容に仰け反ったから今まで気になりませんでした。
再来週のモーニングでは外伝があるらしいので、忘れようと思った『ジパング』をついつい思い出してしまいました。
昼ごろ出勤前の妹と時代劇専門チャンネルでやっていた『剣客商売』「その日の三冬」を観ました。好きな男と逃げるより三千石の旗本の後家に入るほうが良いという娘に思い切り頷き、男が信じていた殿様にしっかり裏切られたあたりで、私も妹も「そう来なくっちゃ!」と思いました。
他人の不幸は蜜の味というわけではなく、いや多少はあるけど、物語だからって綺麗なばかりでは嘘くさくてつまらないので、私も妹も現実的な話―――荒唐無稽だとしても、全体的に筋が通っていたらそれはそれでOK―――が好きなだけです。ハッピーエンドの物語って、ほんと、嘘くさくて、そんなウマイ話があるか! といつも疑ってしまう。
名作劇場で言うなら『幸福な王子』、日本昔話で言えば『雉も鳴かずば』、このあたりが私も妹もうんうんと納得するラストです。『幸福な王子』の神様は蛇足だと思うけど。
なんで世の中ハッピーエンドがはびこるのだろう。