セレンディピティーを知っていますか
行ってきました。神奈川大学にて行われた白川英樹氏の講演会、「セレンディピティーを知っていますか―電気を通すプラスチックを発見するまで―」(http://www.kanagawa-u.ac.jp/06/kouenkai/090725/index.html)です。東神奈川駅から20分歩いたら汗だくになりました。
若者と語る講演会なので、席は前のほうが高校生で一般は後ろのほうでした。若者相手だからでしょう、なるべく専門用語を使わない方針らしく、かなりいろいろ言いかえをしながら導電性高分子(電気を通すプラスチック、と表現していた)の発見に至るまでを話していました。アセチレンの高分子の研究をしていたらその途中で固形ではなく薄膜を作ることがたまたま出来て、それをいろいろやって導電性を持たせることが出来た、というのが全体の流れです。
話し方は丁寧かつ誠実で、理論的で緩急もあり、飽きずに90分聴けました。とても面白かったです。最後のほうは時間を気にして少し駆け足だったのが残念ですが、その後の質疑応答がとても充実していました。ご本人は全員の質疑をもう誰からも質問が出なくなるまでいくらでも受ける、という姿勢でして、講演の内容や話し方から、真面目にコツコツ地道な努力をする以外の方法を思いつかないような実直なひとだろうという印象を持ったのですが、質問に対する回答もそんな感じでした。もう良いよってくらい真剣に語る語る!
セレンディピティーというのは、偶然から目的以外のもっと価値のあるものを見つけることなのですけど、白川先生は「こだわり」を研究の中で一番大事にしているというお話をされまして、経営学部の学生が「こだわりとセレンディピティは矛盾しないか」という質問をしたのが、私の中での質問大賞です。彼と先生が何度もやりとりしたらものすごく面白かったと思う。どうでも良いけど経営学部ってことは講演会が行われたキャンパスとは違うところのキャンパスの学生ってことで、熱心な学生だなあと思いました。
同行した経済学者も、具体的に導電性高分子のことはちっともさっぱりだけれど研究姿勢とか考え方とかなかなか面白かったと満足していました。その後食事をしながら「そもそもアセチレンって何?」「低分子と高分子の区別は?」「π電子は普通の電子と何が違うの?」「どうして半導体に電気が流れるの?」等々解説させられましたけども。白川先生に訊いてみれば良かったのに。絶対真顔で細かく説明してくれたと思う。
白川先生は、取説で「電源を入れます」から説明してあるくせに肝心なところで専門用語が出てきちゃうみたいな感じで、アセチレンの薄膜についてはわりと平易なのにドーピングに関してはただ「ドーピング」と言っていて、それはせめて「添加」だよーと思っていたら質疑応答でも訊かれてました(笑)
不満は冷房が強くて足は痛いし頭痛もしてきたことです。他は満足の講演会でした。
明日は、日馬富士(9勝5敗)-琴欧洲(12勝2敗)、白鵬(13勝1敗)-朝青龍(10勝4敗)でそれぞれ日馬富士と朝青龍が勝って13勝2敗で優勝決定戦だと最高に楽しそうですが、私の予想だと日馬富士と白鵬が勝って白鵬が優勝、だと思います。
それと三賞予想は敢闘賞が安美錦、殊勲賞は該当無し、技能賞は安美錦か。翔天狼も10勝してますから、もしかしたら敢闘賞かもしれません。
明日は出かけず、夕方はのんびり相撲観戦です。