どうせ不親切さ

 電車の中で「妊婦なのに全然席を譲ってもらえない」とぼやいている妊婦らしき三人連れがおりました。他人の親切を当てにするなよ、と思いつつも、私は妊婦になったことが無いので彼女たちの心理は何一つ分からないのですけど、席を譲ってほしかったらいかにも妊婦って感じの服を着てろと思うのです。
 その三人組、いわゆる「とても妊婦には見えない可愛い☆オシャレ☆マタニティ♪」だったのですから。その場合、「ゆったりめの服を着た太っているひと」である可能性が高く、席を譲ろうと申し出る、つまり妊婦と間違えるほど太っているように見えました! と宣言するに等しい行動は、特に男は、取りにくいのです。女性が「必要以上に太っていることを気にする生き物」でなければまだしも、たいてい「痩せていれば痩せているほど良い」と考えていそうですから、明らかに妊婦だ、と断言できるまで席は譲れません。妊婦でもないのに妊婦に見えるひとに席を譲るのは失礼に当たる、と判断できるからです。
 妊婦に見えたくないから妊婦に見えないマタニティを着ている以上、妊婦に見えないのだから席を譲ってもらえないのも当たり前、席を譲ってほしいなら妊婦に見えるような外見を心がけるべきだと考えます。
 自己矛盾だと思わないのかね。実に不思議です。あのキーホルダー(?)をいちいち探せって?
 本日は、わざとらしく勝手なことを聞こえよがしに話し続けるその三人組がこれ以上無く感じ悪かったので、絶対譲ってやらねえぜ! と心に決めて、知らん顔してました。
 他人の不親切を嘆く前に、親切にされる前提である「妊婦らしさ」を追及して欲しいものです。最近は高齢出産も多く、失礼ながらあんまり若く無さそうだから妊婦は無いかもしれない、と思える場合もあるのです。これで「妊婦ではないが妊婦に見えるひと」に席を譲ろうとした日には、思いっきり睨みつけられるでしょうから、確実に妊婦と判断できるまで行動に移さないのは、譲る側の自己防衛であると主張したい。そんな危険を冒してまで他人に親切にしたいと思えるほど、私、できた人間じゃありませんので。

2009.06.23 Tuesday 21:26| comments (0) | trackbacks (0) |