連休いつのまにか残り二日
無事帰宅しました。新型インフルエンザで賑わう横浜なんぞに戻るより、片田舎に疎開していたほうが健康的で良いんじゃないかと思いましたが、いやー空気がうまいね! と思った私と違って、都内では時期外れになったはずの花粉症が復活した彼氏は涙目だったので予定通りに戻ってきました。東北自動車道の、下りの大混雑を尻目に。
二年前よりも、放置された田んぼと廃墟が3割り増しで、景色を眺めるのが辛かったです。東北道沿いも、休耕田が多く、15年前は黄色かったはずの煙草畑も減ってました。ただ、高速1000円効果は絶大のようで、本州最北端の温泉街、下風呂温泉にも岐阜やら長野やらのナンバーの車が並んでいました。やどのおばちゃんとの世間話では、去年まではレンタカー屋に鞍替えかと思うほどレンタカーが多かったそうですが、今年は地方のナンバー(品川ナンバーのプリウスを見ながら「地方ナンバー」と言い切っていた)が多く、宿泊予約も5日まで満杯だということです。去年より全体的にお客さんが多いという話でした。新幹線は痛手だろうけれど、と心配する余裕まで。高速1000円は僻地を救うと思いました。東北の熱海と言われた浅虫温泉も、二年前の寂しそうな雰囲気ではなく活気がありました。津軽三味線の無料ライブやってたもん。久々に生でじょんがら節を聴いてしまった。
そのライブ、ステージに上がってすぐ一曲、面白いのか微妙なトークの後一曲、またトーク、という流れで、演奏をたくさん聴きたいのになあと思いましたが、途中で気づきました。ステージのライトで楽器があたたまって音が変わるからだ。チューニングして、一曲、喋って時間を稼ぎながら安定するのを待ってまたチューニング、そんで狂う前に一曲終わらせる。また喋って弦が伸びた頃チューニングして、一曲。たぶん、こういうことかなと。
それにしても道の駅のご当地ソフトクリームはすごいね。横浜では「菜の花アイス」、川内では「ひばアイス」、小川原湖ではなんと「しじみアイス」でした。なにがすごいって、小川原湖の食堂でお客さんが「トマトアイスさねぇんだべか?」って訊いていたところですよ。そんでその返事が「トマトさ夏にならねばねぇよ」だったところですよ。あるのかよトマトアイス。食堂のおばちゃんたちとお客さんの会話を聞いていたら、前日から始めた「あまおう(苺)アイス」と普通の「バニラ」と「しじみアイス」だとダントツでバニラが人気だということが判明しました。それなのに微妙なアイスまだやるの。すごいよ小川原湖。
私の彼氏の観察によると、男性の2割が「しじみ」で、女性の4割が「あまおう」だったそうです。1時間くらい熱心に見ていたから何かと思ったらそんな観察。呆れた。そんな彼は「菜の花アイス」が道の駅以外の、例えばローソンで売られていたので油断したらしく、「ひばアイス」を食べ損ねていました。え、川内にしか無いの? と道の駅「かわうち湖」を去ってから嘆いていました。
油断といえば、横浜町では来週「菜の花フェスティバル」が行われるのですが、10日前なら多少咲いているだろうと思った菜の花が、見事にほとんどつぼみで、遠くからはとても菜の花畑に見えない状態でした。考えが甘かったです。恐山から薬研はやっぱり積雪で通行止めだったのも、考えが甘かったその5くらいの出来事です。私が墓参りに行っている間は彼に自由行動をさせていたのですが、彼は恐山の入り口まで行ったのに、雰囲気が嫌だったと、まさに恐れをなして逃げ帰ってきました。まあ愉快な場所ではないので、駐車場前のへんな湖だけでもう無理、という判断は正しいでしょう。
八甲田山は道路の両側が雪の壁で、普通にスキーをやっていて、二年前にも鯵ヶ沢でスキーをやっているのを見たはずなのに彼はビビッてました。確かに道路は通れるけど「普通」じゃないよと、「道路は普通に通れますよ」と断言したやどのおじさんに対してブツブツ言ってました。尻屋で寒立馬に通せんぼされていたときは、ご機嫌だったのに。
そうそう、奥入瀬、初めて行ったんですけど、もしかしたら初めてじゃないかもしれないです。意識せずに通過したことあるかもしれない。だって普通の国道なんだもん。川沿いに国道を通したら、なんだか両側がとっても素敵な感じなので観光地にしました、みたいな感じがします。
苔むしたでかい岩も、国道を通すのに邪魔だから避けて放置しといただけっぽいし、案内板も全然親切じゃないし、遊歩道も無いとは言わせないぜって感じのボロさ。木製の手すりが朽ちている。渋滞しなければ、車を少しゆっくり走らせればじゅうぶん楽しめます。そのくらい川と道路が近いです。トラックも通る国道の端っこを、わざわざ車を気にしながら歩かなくても、滝の近辺で路駐して、ちょっと眺めて写真撮ってまた車に乗る、というお手軽な渓流散歩が出来ます。
JRにポスター貼りまくっているわりと、現地は観光にがっついてないな、と思いましたが、確かにここから見たらさぞや奇麗で絵になるだろうなという箇所が工事中で、渓流の上のほうに階段で上がれる展望台を設置していました。こりゃ完成したら混むだろうね。
今回の旅行はほとんどが何度も行ったことのある場所でしたが、楽しかったです。棄てられた田んぼや家屋のあまりの多さには胸が痛んだけれど、私が下北半島で一番美しいと思っている野平の風景が、もう誰も住んでいないはず(農繁期だけ戻ってくる)なのに以前の様子を残していたり、殺風景だった東通に100基近い風車が並び新しい景観を作り出していたり、見るところがたくさんありました。
ところで、次の旅行は去年屋久島と悩んで先送りした和歌山だと意気込みましたが、彼氏が和歌山はもういいと言い出したので、以前は興味ありそうだったのに何故だと理由を訊きましたら、来週学会で行くからだって。なんだかこう、非常に納得のいかない気持ちです。