KAORI MURAJI Plays J.S Bach
- 日時
- 2008年12月7日（日） 14：00開演 （13：30開場）
- 会場
- サントリーホール
- 曲目
- J.S.バッハ/リュート組曲第4番ホ長調 BWV1006a
―��.プレリュード 4分の3拍子
―��.ルール 4分の6拍子
―��.ロンド風ガヴォット 2分の2拍子
―��.メヌエット 4分の3拍子
―��.ブーレ 2分の2拍子
―��.ジーグ 8分の6拍子
J.S.バッハ/ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
―��.アルマンド 4分の4拍子
―��.クーラント 4分の3拍子
―��.サラバンド 4分の3拍子
―��.ジーグ8分の12拍子
―��.シャコンヌ 4分の4拍子
J.S.バッハ/フルートと通奏低音のための3つのソナタ BWV1034 ※1
―��.アダージョ・マ・ノン・タント
―��.アレグロ
―��.アンダンテ
―��.アレグロ
ヴィラ＝ロボス/5つの前奏曲
―第1番 ホ短調<叙情のメロディ>
―第2番ホ長調<*カパドシオの歌>
―第3番イ短調<バッハへの賛歌>
―第4番ホ短調<インディオへの賛歌>
―第5番ニ長調<社交界への賛歌>
ヴィラ＝ロボス/ブラジル風バッハ第5番〜アリア（カンティレーナ） ※2
J.S.バッハ/G線上のアリア ※2 - アンコール
- J.S.バッハ/目覚めよと呼ぶ声が聞こえ ※1
J.S.バッハ/管弦楽組曲第2番バティヌリより地中海の舞踏 ※1
J.S.バッハ/主よ人の望みの喜びよ
※1 一噌幸弘（能管）とのデュオ
※2 弦楽アンサンブルとの共演
*カパドシオ：リオ・デ・ジャネイロの下町の伊達男をさす言葉
Kaori Muraji Official Site :: Dulcinea ::
一噌幸弘公式サイト：林泉
行ってきました村治佳織リサイタル。まずは席がダメでした。今日は悪いけどB席なんだ、舞台袖のコントラバスの上あたりだと思う、と言う友人も驚いていました。いやきみここはP席じゃないのかいと言ってしまいたくなるほどのP席よりの二階席でした。以前その友人とピアノ協奏曲をP席で聴いたときを思い出して微妙な空気が漂いました。気を取り直して彼女の背中も良いよね普通見られないものと前向きな気持ちで開演を待ちました。
本日の村治さんは、白いドレスでした。リカちゃん人形のウェディングドレスみたいな感じの。3年ぐらい前はなんだかはじけた雰囲気でしたが、最近は落ち着いてきたようです。と思ったら、前半のソロが終わって20分の休憩の後のお色直しでは、バレリーナみたいなふわふわのスカートで、珍しく足が(ブーツだったけど)見えていました。
一曲目のリュート組曲第4番ホ長調は全体的に簡単に表現すると、ドラクエ。ああなんか色々と台無しになる一言だったかも。でも雰囲気はドラクエ。すごくドラクエ。�靴��垢△燭蠅痢�
ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調のシャコンヌが素晴らしかったです。どうも後半に共演者が途中で変わるのは中途半端な構成だと疑問でしたが、シャコンヌが非常に気合入りまくりだったので、これは確かにここで休憩が必要だなあと思いました。正面から演奏を見られないのが残念でしたが、すっげー一生懸命です！ という背中だったのでそれはそれで面白かったです。あー結構余裕なさそうだねーみたいな。
休憩後の一噌幸弘氏とのデュオは感激でした。三本の笛を使い分けて、和楽器では使わないはずの音階を表現していてすごかったです。ああもう語彙が貧弱で困る。うまい言葉が見つかりません。こういうとき、私は開き直って東方仗助になりきることにしてます。「まさか」って感じだがグッときたぜ！！
アンコールも、一噌幸弘氏のあれはたぶんアドリブなのでしょう、ジャズの即興を聴いているようでした。二曲目の地中海の舞踏は特に。村治佳織のバッキングが控えめで引き立てるような、しかし笛が止まると即メロディを入れてきて、掛け合いが面白かったです。とにかく一噌氏は良かったです。彼の普通の演奏会も行ってみたいと思いました。観客を笑わせるパフォーマンスも良かったです。村治さんは相変わらずトークが下手。そんでバッキングだけなら坂崎幸之助氏のほうが上手いだろうなって感じでした。そういう意味では一噌氏は主役を食っちゃってるからダメなゲストですな。
弦楽アンサンブルとの競演も非常に面白かったです。G線上のアリアをギターで弾くのはとても難しいので、どう表現するのか興味深く思っていましたが、つまりバイオリンの、すーっと伸ばすような音をギターで出すのは無理があるので、ビフラートにも限界があり、プリングやハンマリングでは同じ音ではなくなり、マンドリンみたいなトレモロではどうしてもガリガリした感じがしてしまいますから、それをどうするかというと、そこは普通にバイオリンが音を出してたという……えーそれずるいーと思うような処置がされていて目からうろこでした。潔いよね。
その直前まではメロディをバイオリンとギターで弾いていて、伸ばすところはバイオリンがそのまま、ギターは伴奏めいた音を出すわけです。ベースはコントラバスがいるから重厚感があり、同じ弦楽器とはいえ弾くだけのギターとは違うビオラやチェロがずっと音を切らさずに厚みを出していて、ギターと弦楽も良いなあと思いました。オーケストラとギターだとどうしてもギターが負けてしまう感じですが、今日のようにバイオリン6ビオラ2チェロ2コントラバス1のこじんまりとしたアンサンブルならバランスが良いように感じました。
ただ、総勢12人で指揮者無しは結構辛いのでは無いかなとも感じました。弦楽アンサンブルが、村治さんの話によると音大の学生や音楽科の高校生だそうでして、ああいう演奏会に慣れていないのかもしれないですが動きがぎこちなく、音合わせもあちこち様子を伺う雰囲気がありまして、しっかりしてくれーという感じだったので指揮者がいればうろたえることも無いのにと思ったのです。余計なお世話ですけどね！
村治さん大好きっ子の友人は、1月9日のアランフェスも行くそうです。3月3日の王子ホールはチケットが取れなかったと悔しがってました。私は貧乏なので、行っても3月15日の横須賀芸術劇場(A席2500)かな。同じ横須賀なら3月21日の加藤登紀子のほうが行きたいけど。
皆さんへのお勧めは2月15日の珠響(たまゆら)です。これは和・洋の若手が集まったガラ・コンサートです。出演は稲本響(ピアノ)、藤原道山(尺八)、村治佳織(ギター)、三響會(亀井広忠/能楽囃子・田中傳左衛門/歌舞伎囃子・田中傳次郎/歌舞伎囃子)、英哲 風雲の会(はせみきた・上田秀一郎・谷口卓也・田代 誠・服部博之)、ゲストに野村萬斎(狂言)、一噌幸弘(能楽笛方)、市川慎(箏)、MaL(ヒューマンビートボックス)、武田双雲(書家)です。友人は行くそうです。今月の19日に発売なので、最悪前日までに連絡すれば一緒に購入してくれるそうです。あー、どうしよ。