電車はエコか

 電車に乗るとですね、「電車は車や飛行機に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、環境に影響の少ない乗り物です」という内容の広告を良く見かけます。だから車じゃなくて電車乗ってね☆ というお仕着せがましい宣伝なわけですけど、まあそのデータはとりあえず信じようじゃないか。出典も載っていたけど調べるの面倒だからね。でも、CO2が少ないからといって環境に影響が少ないとは断言できないはずです。NOxやら硫化物に関して、何故併記しないのでしょうか。粉塵とか振動とか他にも環境に影響を与える要素があるではないか。
 また、当然ですが電車は電気で動いています。ディーゼルは汽車です。電車の動力たる電力はどのように作られているのか、そこまで戻らないとダメだと思うんですよ。これが一般的な火力・水力・地熱その他・原子力等の割合と同じで考えるならば、原子力で発電されている電力を利用する電車が環境にやさしいとは、言い切れないでしょう。
 名鉄のサイトにはECO MOVEと名付けた電車利用を勧める運動のページがありますがこれにもCO2のことばかり載っています。言いたいことは分かるのですが、環境問題はCO2だけではないので、あまりにも一元的で不自然だと私は感じます。名鉄が悪いわけじゃなくてね。でも環境に配慮しているというよりは単なる自社の宣伝にしか見えない部分が大きく、損な宣伝の仕方だと思うんですけど。

 次回のワタリウム美術館の講演は、メグレ警視だということで予習というか復習というかとにかく読まなきゃと思っていますが手元にありません。しかしメグレ警視はたしか絶版なんですね普通の文庫は。だから偕成社の子ども向けっぽいやつを探したのですが、図書館の蔵書リストにはありましたが本屋にはありませんでした。せっかくだから買おうかなと、でも偕成社の文庫の内容がまるっきり子ども向けだったら、講演の予習のために、つまりあらすじを思い出すために軽く読むなら子ども向けでも良いけど買うほどじゃないよなと思うわけです。
 それで、毎回一緒に講演会に行っている経済学者と本屋で頭を悩ませていました。実物が無いから本屋に注文するのをためらってしまう。少し考えて我々は、別の本を確認して中身が子ども向け過ぎなければメグレ警視も大丈夫だと演繹できるだろうと、「完訳」と書かれたある一冊を手に取りました。
 非常に強烈なシーンから始まる『四つの署名』です。
 ええ、最初の一行からばっちりやってくれてました。確かに完訳でした。さすがホームズ! 教育上問題は無いのだろうか。小学生のころ、本気でビックリした私はいまだにちょっとドキドキします。
 というわけで、メグレ警視も「完訳」なら期待できるねという結論を得たところで閉店の音楽がかかってきたので帰りました。本屋を出ようとしたら、森博嗣氏の作品ががばっと避けられて広いスペースが開けられてました。なんでだろう? と思いましたが、すぐに思い至りました。ああ、ここにハリポタ7巻が並べられるんだねと。

2008.07.22 Tuesday 23:42| comments (2) | trackbacks (0) |