【探偵】
【探偵】
1.ひそかに他人の事情や犯の事実などをさぐること。また、それを職業とする人。
2.ひそかに敵の内情を探る者。まわしもの。おんみつ。広辞苑(第五版)
私立探偵というのはよく聞くが、国立探偵とかは聞かないなと常々思っていましたが、なんのことはない、辞書をひいてみればちゃんと載っているではありませんか。要するにお庭番は探偵なのですね。才蔵と茜ですね。ヨザックはもちろんボンドも探偵なのですね。たぶん。彼らは国立探偵なわけだ。なんたって陛下のなんだから。そういう解釈で良いんですよね？
あ、1.の「さぐる」が平仮名で、2.の「探る」が漢字なのは原文ママです。
しかし榎木津なんかは「ひそかに」でもなければ「さぐる」でもないのだから【探偵】ではないような。
ただ、これが英語のdetectiveになるとちょっとニュアンスが違います。
de•tect•ive /d{I}'tekt{I}v/ noun (abbr. Det)
1 a person, especially a police officer, whose job is to examine crimes and catch criminals: Detective Inspector (Roger) Brown * detectives from the anti-terrorist squad * a detective story / novel―see also store detective
2 a person employed by sb to find out information about sb/sth―see also private detectiveOxford Advanced Learner's Dictionary → http://www.oup.com/elt/global/products/oald/lookup/
1.では、主に犯罪調査に関わる人とされており、警官のことだた言わんばかりです。2.では警察は関係無しで誰かに頼まれて調査するっぽくなっていますね。
Akai探偵事務所の探偵の歴史では、当初は警察官を探偵と呼んだりもしていたようです
とありますが、それはこの英単語の定義からではないかと思われます。
榎木津礼二郎が薔薇十字探偵社を開いたのは、ちゃんと原作を調べていないのでうろ覚えですが、終戦が1945年でその8年後くらいに絡新婦ですから、1950年くらいじゃないかと。原作読み直せば良いんですけど面倒なので適当です。日本初の探偵社は1889創業だそうですから、ご一新の約20年後ですね。薔薇十字探偵社はそれからさらに約60年後に設立されているのです。意外だ。でも『緋色の研究』は1887だ。ううむ。色々驚くけれど、探偵業法が出来たのが2007年というのが一番の驚きです。去年じゃん。野放しもいいところだったのですね。それにしても私立探偵と刷り込むとはあきれたね
『御手洗潔の挨拶』「数字錠」講談社文庫p.41という石岡さんの台詞もちょっと気持ちが分かる。うさんくさいもん。政治家の次くらいにうさんくさい。
そういえばR25のコラムで、タウンページの一番上に来るような社名にする話がありました(http://r25.jp/web/link_review/20001000/1122008050904.html)が、『ああ探偵事務所』はまさにそれですね。そういう目的で命名されたのですから。記事ではアート引越しセンターが紹介されていましたけど。名簿で一番最初以外になってみたい、と嘆く妹の友人、アイウチさんには怒られそうな工夫ですな。学生は終わっても町内会とかで相変わらずトップを突っ走っているらしいです。
ここでひとつ紹介したいのが、ワタリウム美術館(http://www.watarium.co.jp/)「西洋思想一日大学」の「探偵小説、あるいは都市を歩く」(講師：内田隆三氏)です。私はこれに参加してみようかなと思っています。ちょっとお値段が……ですけど。会費も払って5回であのお値段だと、大学の講義より単価が高いことになるのよね。でも母校のエクステンション講座はこのくらいのお値段(だから受講しない)なので、きっと相場なのでしょう。月に一度半年の講座なので、最後のほうはちょっと先過ぎて予定が立たないのですが、非常に興味があります。
で、なんで今日は【探偵】なのかと申しますと、『薔薇十字探偵�機戮鯒磴Δ�買わないかで悩んでいるからです。『百器徒然袋―雨』が見つからないから、いっそこっちでも良いかなと。でもあの髪型の榎木津は気に食わないので見なかったことにしたい気持ちもあります。悩むなあ。っていうか『百器徒然袋―雨』は本棚のどこかにあるはずなんだけど……