はなれ、ばなれ

 ベトちゃんドクちゃんの話。いまだにどっちがどっちか区別つかないのですが、分離手術後の二人を見たとき、そして今回、あんなに一緒だったのに完全に別れ別れになったのが無性に悲しくなりました。
 最初はくっついている体を見て、子ども心に恐ろしくて嫌でした。しかし枯葉剤の本を読んだり戦争について学ぶうちに、ああ悪いけどこのひとたちには生きていてもらわないと、被爆者と同じように長生きしてもらわないと、後世のためにために生きていてもらわないと、とまことに勝手ながら思ったものです。
 分離手術後、結婚もした弟と意識不明のまま生涯を終えた兄。あまりも対照的でわざとらしいくらいです。あの双子が、本当はちゃんとふたりになるはずだったのか、実は一人のはずだったのか、分かりませんが明暗くっきりでたいへん切なく思います。
 戦争でたいへんな思いをするのは、その戦争による損得なんかまるっきり関係の無いひとなんだなあと思うと腹立たしいですね。これは予想ですが、世界の人口60億人から赤ん坊を除いて、残りの全員に「戦争」そのものの賛否や要不要を訊いたらたぶん、8割か9割くらいは戦争を否定するんじゃないかと思われるのに、どうして今この瞬間にも殺し合いが行われているのだろうと思うと、本当に人間は愚かだなあと情けなくなります。
 戦争を無くすための行動を特に何もしていない自分が一番卑怯なダメ人間なんだろうけれど。

2007.10.06 Saturday 23:00| comments (0) | trackbacks (0) |