10連休三日目

 『ラフマニノフある愛の調べ』を渋谷で観てきました。1055開始のために1015に行ったらもう既に恐ろしいほどの行列が出来ていて挫けそうになりました。聡い友人もここまでは読みきれておらず、ああこれは1回目の上映は無理かもしれないねと半ば諦めておりましたが、なんとか整理券をゲットし1回目を観ることが出来ました。しかしアレを観客の何%が理解できたんだろう。
 正直、私はこの映画を勧めない。
 まず、ストーリーと言えるようなストーリーが無い。時間軸が何度も入れ替わるので分かりにくい。時間については、変わるときに「1900年」とか「1920年」というように字幕がちゃんと出るのですが、これが出ないで過去から戻ってくるときがあるのでちょっと混乱します。当たり前といえば当たり前ですが、登場人物に関する説明めいたものも全然ありません。
 しかし音楽は素晴らしいですよ。役者も、私はラフマニノフの顔を知らないのですが友人によると激似らしいです。でも、ジョナサン・エドワーズみたいな顔立ちだなあ特にオデコ、と思ってしまってどうにもラフマニノフに見えませんでした。これは個人の印象の問題ですけど。好きなんだもん、ジョナサン・エドワーズ。あ、演技は挙動不審な感じなんか非常に良かったです。
 全体としては、ちゃんとラフマニノフの曲と彼に関するだいたいの経歴と時代背景を知らないと理解不能だろう、とりあえず有名どころだけでも曲を知らないとBGMが本当にただのBGMになってしまうな、というところです。知っていれば、史実を程よく大仰に演出したラフマニノフの紹介(にしては長いが)としておおいに楽しめると思います。とにかく音楽がいいからね。初演の失敗も、そうそうここで失敗なんだよ指揮者が悪くてさあ、あーなるほどこういう描き方になるのね、みたいな。でも、知らないと、「だから何?」で終わること請け合いです。
 というわけで、ラフマニノフを好きなひとには良いと思いますが、普通の映画としては勧めないというか勧められない映画だと私の中では結論付けられました。サービスデーの1000円で、お得感も無ければ払いすぎた感も無いです。

 映画の後は食事をして、「パリのカフェ」展を観ました。あまり多く無い展示でしたが、芸術とカフェに関して上手くまとめられていました。また、現在も19世紀と同じように営業している「ドゥ・マゴ」や「ブラッスリー・リップ」等のメニューやカップ等も置いてあり「行った気にさせる」展示でした。現在の写真や過去の写真、比較が出来てなかなか面白かったです。同行した友人はフランス語が堪能なので、色々解説してくれたのもたいへん助かりました。映画はロシア語だったので二人して字幕を見つめるしか無かったですが、フランス語になってからは彼は饒舌でした。翻訳で食っているだけあるね。パリにも何度も行っているから地理的なことも教えてくれて、ガイド付きの気分でした。
 その後はウェッジウッドでお茶、スコーンも食べてややアフタヌーンティー気分に浸ってから帰りました。こういう文化的な一日は実に良い。寝ていただけの昨日とは大違いです。
 さて、明日は授業です。昼間の授業に初参加なので楽しみです。

2008.04.29 Tuesday 21:15| comments (0) | trackbacks (0) |