朝青龍引退

 朝青龍が引退しました。横審が引退勧告をしても協会が引退させないなんてことになったら、横審の存在意義が問われてしまうなと思っていたので、引退は残念ですが、なるようになったということだと思います。
 朝青龍は偉大な横綱でした。行動に問題はありましたが、強さは本物で才能は頭ひとつどころではなく飛び出ている。私は彼の相撲はわりと好きでした。ちょっと強引なところも、それが朝青龍、という感じです。あと3回くらいは最低でも優勝できると思っていたので本当に残念です。でも、引退しなかったらそれはそれで怒ったと思います。ここで引退はもったいないけど仕方が無いことです。
 彼はモンゴルに拠点があるし、生活には困らないでしょうから辞めたというのもあるのかもしれません。内舘さんがいないから張り合いがないとかだったら嫌過ぎます。
 ただ、朝青龍が引退したことで、もう追求らしい追及はしないでしょうから、結局はなあなあでなんとなく丸く納めたように見せかけて終わるのでしょう。政治家かっつーの。朝青龍問題で協会が朝青龍からお金を受け取っていたり、逆に朝青龍にお金を払って引退をさせたのだとしても、正直全然驚きませんが。

 なんていうかこう、友綱親方って……朝青龍にナメきられているとしか思えない高砂親方にはもう特に何も期待していないんですけど、その朝青龍問題に当たっていたはずの友綱親方も、かなり情けないひとのように思えてきました。安治川親方を慰留しておいて、「彼は立場を良く分かっていない」って発言はなんなんだろう。
 立場を分かっているからこそ、「造反」の落とし前として安治川さんは辞職を表明したんでしょうに。借株の立場で一門を離脱をすれば本来の持ち主(安美錦)が後で困るので、「安治川」を一門に残すためには辞めるしかないという判断は理にかなっています。
 安治川親方を慰留したことで、一門としては器の大きさを見せたかったのかもしれませんが、対応が後手でになっているうえ、裏切り者は許さないという強い態度だったのが弱気になってしまったように見えるので、むしろ事なかれ主義の小心者のような印象を受けます。逆に、貴乃花親方とその仲間たちを破門した武蔵川親方のほうがまだ潔いでしょう。「事実上の破門」であって、新しい一門を作られたらそれは困る、二所一門の大所帯は一応維持しておきたいと言わんばかりの曖昧さは滑稽ですが、二所一門の全体の方針は一貫していますからね。
 立浪一門のもうひとりの造反者を追及しないことにしたのものも、借株の部屋付親方ではなくて、もっと大物が出てきたら困るとか、そんな理由のような気がします。
「安治川を汚された」という旭富士の発言は実に馬鹿馬鹿しい。逆に、安治川親方は今後も個人の判断で理事選の投票を行うと表明していますし、いったん腹をくくってしまった以上、誰が「安治川」でも同じにしか見えない行動をするのではなく、「個人」が見える行動をするのではないかと思います。貴乃花の乱は、若手の理事がどうこうというよりも、親方が一門の意思ではなく個人の意思で行動するという選択肢があることを親方衆に見せ付けたことが一番意義があったのではないでしょうか。

2010.02.04 Thursday 22:06| comments (0) | trackbacks (0) |